2Pac伝記映画「All Eyez On Me」の新トレイラーから見る2PacとJada(ウィル・スミスの妻)の関係
伝記映画ブーム
とでも言うべきだろうか。ストレイト・アウタ・コンプトンに続き、様々な伝記映画/ドラマの制作の話が出ているが、そのなかで最も期待されているのが2Pacの伝記映画「All Eyez On Me」であろう。先月2Pacのロックの殿堂入りセレモニーにて、スヌープ・ドッグが、皆が知らない2Pacの一面について語ったが、この映画も2Pacという「人間」を知るために重要なものになるだろう。
そんな「All Eyez On Me」であるが、この度新トレイラーが公開されたので、紹介したいと思う。こちらはMTVが公開した映像の一部なのであるが、2Pacがカリフォルニアに引っ越す直前の映像であることがわかる。お別れをする前に、とある女性に対してポエムを読み聞かせている場面が描かれている。
Get a peek at the upcoming Tupac biopic, All Eyez On Me (@alleyezmovie), w/ this exclusive clip from the #MTVAwards–airing tonight at 8/7c! pic.twitter.com/lg6um2kWrH
— MTV (@MTV) 2017年5月7日
この女性はJada Pinkett Smith(ジェイダ・ピンケット=スミス)であり、現在のウィル・スミスの妻である。実は2PacとJadaは高校時代の同級生であり、2人は親友であった。家族のような存在であり、俳優を志す同志として恋愛以上の関係であったとJadaは語っており、彼女は2Pacのパーソナリティを知る上で重要人物である。2Pacの女性関係と言えばどうしても「モテモテの遊び人」というようなイメージが付きやすいが、「All Eyez On Me」では2PacのJadaに対する「誠実」な想いもカバーしているようだ。そんな2Pacが映像内でJadaに読み聞かせたポエムを紹介したい。
U R the omega of my heart
The foundation 4 my conception of Love
When I think of what a black woman should be
Its u that I First think of
—-
「あなたは私の心の終着点だ
私の愛という概念を創造主だ
黒人の女性の理想像を考えると
あなたの存在が最初に思い浮かぶ」
—-
U will never fully understand
How Deeply my Heart Feels 4 u
I worry that we’ll grow apart
And I’ll end up losing u
—-
「あなたには理解できないだろう
私の心がどれだけ深くあなたを感じているか
成長して離れ離れになるのが怖い
あなたを失うことになるのが」
—-
U bring me 2 climax without sex
And u do it all with regal grace
U r my heart in Human Form
A Friend I could never replace
—-
「性行為がなくても私の心をクライマックスまで運んでくれる
その全てを堂々と、優美にやる
あなたは私の心が擬人化した人
誰も取って代わることのできない友人」
2PacはJada役の人にこのポエムを読み聞かせているのだが、この作品は2Pacのポエム集「The Rose That Grew From Concrete」に「Jada」という名前で記録されているものだ。このポエム集はAmazonでも買うことができるので、2Pacファンにはオススメである。(追記:Jadaによると、2Pacが直接このポエムをJadaに披露することはなかったそう。)
The Rose That Grew from Concrete
Simon & Schuster
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このポエムを読むだけでも、2PacのJadaへの深い気持ちが伝わってくる。Jadaも「人生に一度しかないスペシャルな関係性で、恋愛以上のものだった」と語っている。「もしかしたらJadaがずっと2Pacの側にいたら2Pacは今でも生きていたのかも知れない」と考えることもあるが、そしたら2Pacが心の奥で感じていた孤独も少なくなっていただろう。その「Me Against the World(俺V.S.世界)」のような構図は生まれなかったかも知れないし、2Pacがここまでの功績を残すこともなかったかもしれない。 そんなJadaたちが答える「2Pacが亡くなったとき、何をしていましたか?」という質問からも、彼らの関係性が見えてくるので、オススメである。
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