クリスマスを題材にしたヒップホップ曲10選!改訂版

 

 

クリスマス

この年末のクリスマスムードが好きという方は多いだろう。キリスト教の文化圏以外でも、大半の人のお気に入りホリデーとして君臨している。プレゼントをもらえる人もいれば、友達と遊ぶ人もいる。家族や恋人などと過ごす人もいれば、仕事をする人もいる。もちろん一人で過ごすのもありだ。実は去年Playatunerが始まったばかりのときに「クリスマスを題材にしたヒップホップ10選」という記事を投稿したのだが、今回せっかくなのでその記事の改善ヴァージョンを公開したい。

 

10. Ying Yang Twinz – Deck Da Club

ラッパーたちのクリスマスソングと言えば、概ね数パターンにわけることができる。そのうちの一つが「完全にふざける」というパターンである。こちらはそのふざけたパターンの曲としては最高峰であろう。「クリスマスにクラブに札束持っていき、ばらまくぜ」というリリックが印象的である。

 

9. Killer Mike – Christmas Grind

パターンの2つ目としては、このようにトラックはクリスマスソングをサンプルしているが、実際にリリックとしてはあまりクリスマス感がないパターンである。この曲は「フッドではクリスマスは関係ないから、俺はいつも以上にハードにグラインドするぜ」のようなクリスマスに関連した内容ではあるが、よくよく考えると別にクリスマスである必要がない内容である。しかしそれでもクリスマスのメロディを使うことに意味があり、実は内心ホリデーシーズンを楽しみにしているのが伝わってくる。

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8. Ludacris – Ludacrismas

こちらも上記と同じパターンかもしれない。サビでクリスマスソングをサンプリングしているが、内容的にはあまりクリスマスである必要がない曲である。しかし上記との違いは、これは実際にはクリスマスに関連する映画のサウンドトラックに含まれているということだ。「クリスマスに欲しいものは前歯の金のグリルだ」とスタートする彼は、サンタへのお願いの仕方も豪快だ。

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7. Snoop Dogg – Santa Claus Goes Straight To The Ghetto

こちらはゲットーでのクリスマスの過ごし方、そしてサンタとしてゲットーにギフトを持っていくという旨の内容となっている。クリスマススピリットを忘れずに、ポジティブなヴァイブスで友達と家族と過ごすギャングスタ・ラップとなっており、貧しいかもしれないがクリスマススピリットを忘れないというパターンである。タイトルはJames Brownの「Santa Claus Go Straight to the Ghetto」から。

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6. Eazy-E – Merry Muthafuckin’ Xmas

こちらも最初のパターンのように完全にふざけたパターンであろう。おじさんが子供たちに「絵本の読み聞かせをしてあげよう。これは3歳の頃からウィスキーとジンを飲んでいたEazyマザファッキンEの話しだ」という昔話をするところからはじまる。しかし女性がその本をぶんどって「クリスマス・イン・コンプトン」のストーリーを語り始めるのだ。Eazy-Eの「メリークリスマスマザファッカ!」からはじまるビートはハチャメチャで非常に印象的である。

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5. Busta Rhymes – Grinch ft Jim Carey

こちらもクリスマス映画「グリンチ」のサントラの曲である。グリンチがいかにしてホリデーを台無しにしたかという内容になっている。この曲の注目点としては、グリンチ役を演じたジム・キャリーのラップを聞くことができるということだ。グリンチの声でラップしているのだが、これが案外上手いのだ。

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4. OutKast – Player’s Ball

こちらは厳密に言うと「クリスマス・ソング」ではないが、クリスマスとの繋がりが非常に深い曲である。La Faceとの契約が決まったOutKastに入っていた最初の仕事が「レーベルのクリスマスコンピに参加」であった。「やべぇ、ゲットー出身の俺らにクリスマスのことなんてラップできないわ…」となった2人であるが、彼らは経験のないことをラップするのではなく、クリスマスに行われるとあるイベントについてラップした。クリスマスに毎年行われる「ピンプやストリート金持ちによる会合」を見たことを題材にした。たくさんのプレイヤーたちが、毛皮のコートとキャデラックで集まるのを目撃したという内容の「クリスマスソング」となった。

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3. Westside Connection – It’s The Holidaze

これは前回のランキングにて1位であったが、実際によくよく考えてみると楽曲が好きなだけでありあまり「クリスマス感」はないと感じたので今回は3位にした。映画「Friday」のFriday After Nextにてフィーチャーされた楽曲である。個人的にはWCのフローとリズムのずらし方が好みである。

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2. Kurtis Blow – Christmas Rappin’

こちらはメジャーレーベルからリリースされた初のラップ曲であり、彼が初のゴールド認定されたラッパーである。実際にはクリスマスのレファレンスは出てくるが、どちらかと言うとパーティーで盛り上がるというニュアンスのラインが多い。しかしこちらの楽曲の功績を考慮し、2位にした。

 

Run- D.M.C. – Christmas in Hollis

こちらはMV、内容とともに最もクリスマススピリットがあるものであろう。リリックに深い意味があるわけではないが、家族で美味しい食べ物を食べ、ツリーの下にプレゼント置くオーソドックスでナイスなクリスマスを、リック・ルービンのトラックの上で楽しく語っている。「サンタが忘れていった財布をパクるわけにはいかないでの、彼に郵送しようと思って家に帰ったら、サンタからの手紙があった。その手紙にはこの金は俺へのプレゼントだって書いてあったぜ!」というヒップホップはしゃぎをしているRunのテンションが非常に良い。Run DMCのクリスマスソングと言えば「Christmas Is」や「Santa Baby」もあり「クリスマスには欲を捨てて還元」というメッセージも発している。

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クリスマスを題材にしたラップ曲を10曲選んでみた。実際にはリストに入らなかった曲も多いが、上記を聞いておけば、世間のクリスマスムードに溶け込めない人でもクリスマススピリットを得ることができるだろう。特にクリスマスに何も予定がない人はこの曲たちを流しておけば、一人でもクリスマスを楽しめるはずだ。

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