Naoショートインタビュー。業界のルールを変え、自分の夢を追いかけるインディペンデント・アーティストとして #Jwave #Booze813

 

New Kaz Skellington!

 

 

J-Wave × Playatuner

2018年10月からJ-Wave にて、Playatuner代表Kaz Skellingtonがナビゲーターを務める新番組「Booze House」が始まった。毎週木曜日26:00〜の30分間となっており、ブラックミュージックをはじめとする洋楽を掘り下げる番組となっている。

この番組ではJ-Waveとタッグを組み、番組で話した内容のリキャップをPlayatunerにて記事化している。また、番組情報を発信していくツイッターアカウントは下記となっている。

Booze House

 

Nao Interview

1月17日放送のBooze Houseは、イギリス出身のシンガー/プロデューサー、Naoのインタビューの様子をお届けした。彼女は2016年に1stアルバム「For All We Know」をリリースし、UKチャートで17位、US R&Bチャートで8位を記録した。2018年には2ndアルバム「Saturn」をリリースし、初来日公演を果たした。

 

Kaz:今夜の1曲目は、Naoの1stアルバム「For All We Know」に収録されている楽曲のなかで、私が一番好きな曲「Get To Know Ya」です。

 

Kaz:元々、他のアーティストのバックアップシンガーや、歌の先生などをやっていたと聞いたのですが、自分自身でアーティスト活動をやるきっかけはなんだったのですか?

Nao2014年にアーティスト活動を開始して、ずっとアーティストにはなりたかったけど、ちょっと前までは若い黒人女性が業界で活躍するのは難しかったんだよね。今ではインターネットのおかげもあって、どんな人種でも、業界内の政治とか関係なく聞いてもらうことができる。それで4年前ぐらいに「やってみよう」と思って活動開始した。

Kaz:今では多くの黒人女性アーティストがイギリスが出てきていて、少しずつ業界の雰囲気も変わっている感じもありますね。

Nao:そう!私たちの世代はそういうルールを変えていってる!

Kaz:Naoと言えば、やはり歌声が特徴的だと思うのですが、地声なのですか?歌うときに声を作っているアーティストも多いと思いますが。

Nao:まぁ私が今喋ってる声を聞いたらわかると思うけど、地声なの。最初音楽を出したとき、色んな人に「オートチューンを使っている!」って言われたけど、これが私の声!

Kaz:Childish Gambinoが「Redbone」をリリースしたときも 、同じようなことを言っている人たちがいましたね(笑)

Nao:そう!でも私たちは実際に歌えるの(笑)

Kaz:Naoが使用しているシンセの音とかめっちゃ好きで、自分自身でプロデュースもする上で、どのような作業フローで制作しているのですか?

NaoLOGIC(DAWソフト)で制作をしていて。でも音楽を作るってめちゃくちゃ時間がかかるし、スネアの音とかを選ぶだけで永遠にかかるから、まずは自分で楽曲の骨格を作って、他のプロデューサーと一緒にそこから作っていく感じかな。

 

ここで彼女が2018年にリリースしたアルバム「Saturn」から1曲。「Drive and Disconnect」

 

Kaz:以前自身の音楽をWonky Funkと呼んでいたと思うのですが、その言葉に込められた想いを教えてください。

Nao2016年当時はその言葉を使ってたけど、今はもう使ってないんだよね。自分の音楽は色んな要素が入っているのに、R&Bの括りに入れられるのに違和感を持っていたの。例えばPrinceとかはR&Bじゃないのに、黒人だからという理由でR&Bのカテゴリーに入れられたりする。自分の音楽も、もっと色んなジャズ/ファンク/ソウルなどの要素があるから、とりあえず自分のジャンルの名称を作ろうと思って、「Wonky Funk」って名前をつけた。でも今は自分の音楽にラベルをつけるのを避けるため、この言葉を使わないようにしてるの。

Kaz:自分の音楽は自分である。

Nao:そうそう!

Kaz:Little Tokyo Recordingsってレーベルをやっていますよね?そのレーベルを立ち上げたときのことを聞きたいです。

Nao元々Little Londonという名前にしようと思ってたけど、既にその名前は取られていたんだよね。そのときに日本にきて、東京、札幌、京都、大阪とまわって、日本に凄くインスパイアされたの。日本では、何年も聞いてなかったような昔のジャズやソウルが流れてて。下北沢にある「Little Soul Cafe」というカフェのバイブスが凄く良くて、その雰囲気から影響を受けたものにしたかった。

Kaz:いきなり自分でレーベルを立ち上げようと思ったきっかけは?

Nao:UKで活動する上で、業界が自分のようなアーティストを受け入れる準備ができていなかったと思ったから、自分ではじめたの。

Kaz:そのように自分でレーベルをやる上で、他のアーティストにアドバイスなどありますか?

Nao:実際はインディペンデントかメジャー、どちらがより良いとかはなくて、自分の活動にとってどっちが合っているかを見極める必要があるってことかな。メジャーはプロモーションするお金もある。音楽はお金がかかるから、ちゃんと時間をかけて活動して、何よりも自分が信頼できるチームと活動することが大切。そして、自分がどんな形態で活動したいか、タイミングにあった判断をすることが大事!

 

 

Kaz:これはアーティストに毎回聞いてる話で、自分のやりたいことをやるってこの社会で生きる上で難しいことだと思うんですよね。そんななかで、Naoのカムアップというか、どのようにしてここまでの道を作ってきたのか、そして何かアドバイスなどを聞きたいです。

Naoやはり親としても「あなたシンガーになりたいのね、でも現実的には将来何になるの?」って感じの人が多いと思ってて。特にUKで、移民として移住してきた親の世代からすると、生きていくのが凄く大変だったから、子供にも安全な道を歩んでほしいと思っている人は多い。親は自分の鏡として、自分の子供にも同じ道を歩ませたいんだと思う。でも、まずは親の経験や想いを理解して、リスペクトした上で、自分の人生だからそこは自分のやりたいことを追いかけたい。お金がある状態で心が死んでるよりも、自分が好きなことをやっていたいの。世の中にはお金があるけど、自分が嫌いなことをやって心が死んでる人が多い。

ちゃんと努力して、やっていれば、自分がイメージした方向性とは少し違うかもしれないけど、徐々に成功する。最初は反対されるかもしれないけど、親は後々認めてくれるようになる。

Kaz:ありがとうございました!

 

今回の感想

Kaz:自分は2015年ぐらいに、インディペンデント・レーベルを運営しているファンク/ソウルアーティストを探しまくっていた時期にNaoのことを知ったんですけど、それ以来ずっと聞いていて。自分も、自分で会社をやってインディペンデントに活動するなか、彼女のようなアーティストにインスパイアされ続けてきました。優しさのなかにも、強い想いがある人だと感じました。

次回放送は1月24日(木)26:00〜!テーマは「スウェーデンのヒップホップグループLooptroop」です。

【新年】新しいことを始める勇気が湧いてくるヒップホップエピソード! #jwave #booze813

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