Playatuner代表が選ぶ2017年のベストプロジェクト25位〜11位!

 

 

2017年

Playatunerを運営しはじめて1年と1ヶ月ほどが経ちました。今年もたくさんの音楽がリリースされ、それに伴いPlayatunerでは2017年に650以上の記事を執筆し、アップすることができました。今年の前半は「少し濃いニュース」などが多かったですが、後半になるにつれ、「ヒップホップやアーティストの理念から何を学べるか?」という内容や、「前に進む糧」という、ヒップホップ・カルチャーのエンパワーメント部分にフォーカスして書くことに拘るようになりました。(ここについてはまた2017年総括代表ブログで書きたいと思います)

そんな「ヒップホップ・カルチャー」を題材としたエンパワーメント・メディアPlayatunerの中の人である渡邉航光(Kaz Skellington)が2017年の「お気に入りプロジェクト」25枚を選びました!アルバムだけではなく、ミックステープやEPも入っています。超悩んだので、恐らく漏れありますが、悩んだ結果はこちら!

 

25.  Loyle Carner – Yesterday’s Gone

イギリスのラッパーであり、俳優としても活動しているLoyle Carner(ロイル・カーナー)のデビューアルバム「Yesterday’s Gone」。いきなりPlayatunerで一度も取り上げたことがないアーティストの作品となったが、イギリスのヒップホップもチェックしないとな、思わせてくれる作品となった。メローな楽曲が多いが、「オシャレ」とはまた違うベクトルのビート感が非常に好みである。2017年マーキュリー・プライズにノミネートされた作品であるが、Samphaが受賞。

 

24. Jaden Smith – SYRE

ウィル・スミスの息子が故、多くのヒップホップファンたちにネタにされたりしているジェイデン・スミス。「実際どうなんだろうか?」と思いながら聞いてみたら予想以上に良かったので、24位にランクイン。実際オーセンティックなヒップホップというより、ロックな雰囲気をまといつつ、トラップっぽいリズムのトラックが多く、リリシズム的にはかなり普通であったが、サウンドとして楽しめる作品であった。オススメ曲は「U」。もう少し曲数を絞っても良かったのではないか?という意見もある。超大物俳優の息子ということで、これからも必要以上にヘイトされると思うが、10代でこのアルバムを作ることができるのは純粋に素晴らしいと思うので応援したい。

関連記事:ウィル・スミスの息子のジェイデン・スミス。デビューアルバムをリリースした彼が語る「アイコニックな存在」の意味とは?

 

23. Russ – There’s Really a Wolf

Russに関してはPlayatunerにて彼の「グラインド」を頻繁に取り上げているので、知っている方も多いだろう。彼はどちらかと言うと、私を含めそのカムアップや精神性から勇気を得たインディーズアーティストが多く、「エンパワーメントをした」という意味でランクインした。彼の楽曲は非常にシンプルで、音楽を作る側としても「こんなシンプルでいいんだ」と思うようなものが多い。アルバムとしては、お気に入りのRuss曲「Comin Thru」が収録されていなかったのが少し残念である。ドラムビート、ベース、メロディだけでシンプルに音楽を流しておきたいときにはオススメである。

関連記事:現代のアーティストにとって理想な「契約」をRussから学ぶ。アーティストが搾取されないために

 

22. Vic Mensa – The Autobiography

RocnationからデビューアルバムをリリースしたVic Mensa(ヴィックメンサ)。待望のデビューアルバムとなったが、DJ Akademiksとのイザコザもあり、アルバムリリース後のヴァイブスが変な方向に向かってしまったのが残念である。DJ Akademiksのファンによって、多くの動画に低評価が大量についており、セールス的にも残念な結果となった。もっと評価されても良いラッパーであるが、Jay-ZのツアーのOAなど、今後ロックネイションの後押しで長く活躍するアーティストになってほしいと感じる。一聴レビューは下記リンクから。

関連記事:Vic Mensaデビューアルバム「The Autobiography」は彼の人生をなぞった作品【一聴レビュー】

 

21. Brent Faiyaz – Sonder Son

ボルチモア生まれのアーティストBrent Faiyaz。その後LAに移住し音楽活動をする彼であるが、GoldLinkのヒット曲「Crew」にフィーチャリングされていることで彼のことを知った方も多いのではないだろうか?GoldLink同様、彼はDMV出身のアーティストとして、近年のDMVムーブメントに貢献したアーティストとなった。スムーズな声とソウルフルなトラック、そしてその上で歌われる「モダンな若者」のリリックが今後も多くの人を虜にするだろう。

 

20. Joey Bada$$ – All-AmeriKKKan Bada$$

今年はポリティカルな内容、アメリカの社会に語ったアルバムで話題となったJoey Bada$$。正直個人的にはビートのクオリティ的にも前作の「B4DA$$」のほうが好みであったが、今作も2017年を代表するヒップホップアルバムの一つとなった。なんとなくであるが、自分の活動に少し迷いを感じている音がする気がしており、それは社会にたいするモヤモヤが具体化されたものなのかもしれない。そのため、恐らく次のアルバムが彼の最高傑作になる予感がしている。17歳の頃に比べるとリリックは「大人」になっているが、MCとしてのRawさは今作は抑え気味である。

関連記事:Joey Bada$$の「All-AmeriKKKan Bada$$」のリリックから彼が辿った「大人の階段」を考える【1聴レビュー】

 

19. Smino – Blkswn

St. Louis出身のラッパー/シンガーであるSminoであるが、彼の楽曲と声からは2017年〜2018年感を感じる。ソウルフルであるがラフな声、メローなんだけどビート感が強いスローテンポのトラック、これらは近年徐々にメジャーになってきているスタイルのようにも感じる。本人は自身のスタイルを「フューチャリスティック・ファンク」と「ソウルフル・ラップ」と語っている。ボイスコントロール的に、楽曲のなかで歌唱スタイルを素早く変換できるのが、羨ましくもある。

 

18. Goldlink – At What Cost

Crew」がグラミーノミネートされ、GoldLinkにとって飛躍の年になったが、実際にはアルバム「At What Cost」はもっと作品として評価されてもいいのではないかと感じた。DMVエリアへの「ラブレター」として地元と女性を重ねている二面性を描いているのが、作品としては非常に聞いていて説得力があった。正直もっと順位は高くてもいいかもと悩みまくったが、これ以上悩んでもしょうがないので18位にランクインした。サウンドも以前の作品に比べると落ち着いており、その件についても本人に直接インタビューをしているので、チェックしてほしい。

関連記事:【GoldLinkインタビュー】GoldLink本人と探る地元DMVエリア。彼の音楽にどのような影響を与えたか?

 

17. Public Enemy – Nothing is Quick in the Desert

30年で106回のツアー、105カ国を回ったヒップホップ界で最も偉大なグループPublic Enemyの新アルバムが無料で公開され、こちらは非常にテンションが上がる作品であった。特に「sPEak!」が昔ながらのヒップホップ×ロックのパワフルさがあり、「声をあげろ!」というパブリック・エネミーらしい内容リリックで爆上げしてくる感じが最高であった。Prophets of Rageの経験で磨きがかかったラップの勢いが印象的であり、内容としても「今のラップは理解できないかも知れないが、否定はせずに自分は自分の信じることをやり続ける。」というメッセージが熱すぎて涙がでた。

関連記事:【レビュー】Public Enemyの新アルバムは「熱さ」と「愛」を感じる作品。「Nothing is Quick in the Desert」を一聴レビュー!

 

16. Dizzy Wright – The Golden Age 2

Dizzy Wrightに関しては去年のベストリストでもかなり上位にランクインしているが、今回のアルバムも非常に良かった。2013年にリリースされた「The Golden Age 1」は、当時彼の地元ラスベガスで運転しているときに聞きまくった思い出もあり気に入っていたが、今作の2も1に続き、彼のポジティブなストーナーヴァイブスと「グラインド」伝わってくる内容であった。彼は明らかに過小評価されているラッパーであり、日本での知名度に貢献したいという想いもある。特に彼が所属していたレーベルFunk Volumeが解散し、今は自身でレーベルをやっているということで、一人ひとりのサポートが非常に重要になってくる時期であると感じる。

関連記事:業界屈指のインディーズレーベルが解散した後のメンバーの動向。Jarren BentonとDizzy Wright

 

15. Kirk Knight & Nyck Caution – Nyck @ Knight

Pro Eraのなかで、Joey Bada$$に続いて活動的なメンバーの2人、Nyck CautionとKirk Knightのコラボアルバム「Nyck @ Knight」。あまり話題にならなかった印象があるが、「さすがNyck Caution」と言いたくなるラップと、明らかに以前より成長しているKirk Knightのトラックが素晴らしい作品であった。Pro Eraの新しいアルバムと故Capital Steezのアルバムを楽しみである。

関連記事:Pro EraのNyck CautionとKirk Knightの新コラボアルバム「Nyck @ Knight」の一聴レビュー

 

14. Anomalie – Metropole

モントリオールのプロデューサー「Anomalie」のインスト作品「Metropole」。少し毛色が違うというのと、このアルバムは今年かなり聞きまくったのでランクイン。まだまだ超マイナーなので「日本の音楽ファンがまだ知らなさそうなシリーズ」で書きたかったが、書く前に年末が来てしまった。彼の演奏動画など含めて素晴らしいので是非聞いて頂きたい。近年のFKJ、Masegoの流れで絶対に今後くるであろうプロデューサーがAnomalieとMXWLLであると感じる。レーベルは恐らくフランスのプロデューサー「Gramatik」のLow Tempからリリースされている。Gramatikも個人的に最高だと思うビートメーカーだ。

 

13. Rapsody – Laila’s Wisdom

ノースカロライナ州からはLittle BrotherやJ. Coleなどの素晴らしいヒップホップアーティストが出てきているが、Rapsodyもその仲間である。9th WonderのJamlaに所属し、一丸となってRapsody押し出すために努力したのが伝わってくる作品である。ケンドリック、Black Thought、Busta Rhymesのような最高峰のラッパーが参加し、業界のMCたちからの応援と愛がヒシヒシと伝わってくる。グラミーの「Best Rap Album」にノミネートされた。

関連記事:『一晩でブレイクするなんて嘘だ』Rapsodyが「弱みを強みに変える力」とプロセスの大切さについて語る

 

12. Blackbear – Digital Druglord

Blackbearに関しては、Russと同じように彼のインディペンデントな売れ方を何度も分析した。恐らく日本で彼の記事を書いているのはPlayatunerだけかも知れないが、彼の「気がついたら水面下で超売れていた」状況は非常に興味深い。インディペンデントで一年で6億円ほど稼ぐ彼の売れ方は、研究して損はないだろう。曲調は近年のヒップホップの流れを汲んでいるが、歌メロや歌い方的にはポップパンクやエモから影響を受けてそうであり、多感な若者に刺さるような歌詞とリリックがキャッチーである。彼は今年リリースした2枚目のアルバム「Cybersex」もオススメである。

関連記事:水面下で「麻薬王」的な存在となったBlackbear。新世代アーティストの面白い売れ方を分析、Spotifyの存在

 

11. Joyner Lucas – 508-507-2209

2017年はJoyner Lucasにとって飛躍の年になった。「I’m Not Racist」のMVや「Gucci Gang」のリミックスで話題をかっさらったが、こちらのアルバム(ミックステープ)も忘れてはいけない。「I’m Not Racist」の本質ではない箇所で「あんなのリアリスティックではない!」と批判するメディアも多かったが、そのような声は無視してこちらの作品も是非聞いて頂きたい。子供に向けたメッセージ、自殺についてのメッセージ、フッドでのお金の周り方についてラップした曲など、非常にストーリーテリングに長けたラッパーである。

関連記事:「あなたのようになりたくない」2010年代トップMCのJoyner Lucasの曲から見る「ロールモデルと心の居場所」

 

25位〜11位はこのような感じになりました。10位〜1位はこちら!

Playatuner代表が選ぶ2017年のベストプロジェクト10位〜1位!

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